国道152号 杖突峠 分杭峠 地蔵峠 兵越峠

自分の大好きなルート、国道152号線(杖突峠〜分杭峠〜地蔵峠〜兵越峠)を初めて自転車で走りました。

2015/6/19〜20



 2015/6/19  13:48 掛川駅 新大阪行 こだま653号

 初めての輪行です。
人間ドックを終えて所用を済ませ、掛川駅からこだま653号に乗った。
JRの規定が厳しくなったそうで、「縦横高さの合計が250cm以内」で「専用の袋に収納」(サドルやタイヤの露出は×)ということらしい。 TIOGAの輪行バッグとOSTRICHのエンド金具を今回購入しました。
 初めての経験だったので、輪行バッグにRL8を収めるのに苦労した。
週間天気予報によると6月20日(土)の天気は全国的に良くない予想だったので、直前まで決行するか延期するか悩んだのですが、前夜の天気予報で降水確率が30〜40%になったのを見て作戦を決行した。 
空いていると思われる1号車に乗った。車両最後列に座れたので、輪行バッグを邪魔にならないように置くことが出来ました。


 15:00 名古屋発長野行  ワイドビューしなの 17号

自由席1号車に座り、輪行バッグはデッキの手すりに縛っておいた。 
木曽川を左手に見ながらワイドビューしなのは走る。カメラを持ってデッキに立って懐かしい木曽路の風景を車窓から眺めていると、車掌さんが「もうすぐ寝覚めの床ですよ。左側の斜め前方に見られます」と教えてくれた。
静かで快適な電車でした。

木曽福島駅で写真をパチリ。電車の旅はビールを呑みながら行けるのが嬉しい♪
17:07 塩尻駅乗り換え  新宿行    スーパーあずさ28号

塩尻に16:53到着して最後の乗り換え。 自由席の最後列に座れたので、座席後ろのスペースに輪行バッグを置くことができました。
17:27に茅野駅に到着してホテルちのに投宿した。
ホテルの部屋で輪行バッグを紐解き、RL8を組み直して輪行バッグと、ここまでの旅装を、ホテル近くのローソンからゆうパックで自宅に送る手続きをしました。
 3:45に目覚ましをセットして、明日の天気を案じながら本日最後のビールを呑んで早めにベッドに入った。


  2015/6/20  5:18

4:30には出発する予定だったが、ちょっと遅れて5:05にホテルを出発。
どんよりした雲が低く空を覆っているが、天気予報によれば雨は降らない模様なので、それを信じてペダルを漕ぐ。

杖突峠への登り始めから八ヶ岳方面を望む。
 5:53  杖突峠着  1247m

 この峠を初めて越えたのは19歳の時で、それ以後バイクで何度も国道152号線を走ってきた。しかし、旧長谷村の戸台から入笠山に至る黒河内林道をいつも走っていたので、高遠を経て杖突峠に至るルートは実に30年ぶりの再訪です。  2車線の気持ちの良い広く開けた峠でした。  この峠から伊那市となる(平成の合併前は高遠町)。 城下町として栄えていたのであろう、道沿いの民家も立派な作りのお宅が多かった。


 7:09 伊那市(旧長谷村)市野瀬 分杭峠へ至る最後の民家

三峰川沿いに走ってきた国道152号線は、ここから分杭峠への登りとなる。 自転車仲間のmotohiroさんからの情報では地元の小笠では朝から雨が降っているそうだが、こっちは今のところ天気は晴れていて気持ち良くサイクリング♪  なんとか雨が降り出す前に天竜あたりまで下ってしまいたい。
 7:35   国道152号 

 2つ目の峠なので足はまだ廻っている。  国道152号線らしい(?)1車線の狭路が続きます。 分杭峠の手前にはゼロ磁場のパワースポットがあって、最近人気があるようです。峠へ登る途中にシャトルバスの発着場があった。
 歩くしか手段のなかった昔の人は、峠を越すにも大変な苦労だったろう。 


 7:50 分杭峠着  1427m  

登り初めて約50分で峠に着いた。  「これより北 高遠領」の石碑は昔と変わらないが、峠のすぐ下にはシャトルバスの発着場が造成されており、簡易トイレやテントなども設えてある。  
「従是北 高遠領」 石碑の一段下にはゲートに閉ざされた前浦林道の入り口がある。手前のコーンは峠への駐車を禁ずるものだ。ゼロ磁場が有名になった為であろう。 
前浦林道は以前、バイクで走った事がある。 夏の暑い日だった。途中から荒れた路面となり、ちょっと心細くなって来た頃、小さな集落に出た。民家はあるのだが、人の姿がまったく見えなかった。細い道をゆっくり走っていると、平重盛の墓があってビックリした事を覚えている。 後で調べてみると、「浦」というその地名は壇ノ浦にからんだ地名で、この集落は平家の落人集落との事だった。 現在は住んでいないらしいが、浦に住んでいた人は全員、小松姓という名字だったそうだ。 同じように御嶽山南麓の王滝村 滝越集落には全員三浦姓の平家落人集落がある。滝越もまた王滝村の最奥に位置する。
 8:10  大鹿村 北川露頭

歴史的にもオモシロイ街道ですが、地理的にもオモシロイです。
国道152号線は中央構造線沿いに走っていて、衛星写真などで見ると一目瞭然です。この北川露頭は分杭峠を大鹿村側に下った所にある。左側の茶色い側が内帯(日本海側)、緑っぽい側が外帯(太平洋側)の境目と言うことになります。 こんなような露頭が国道152号線沿いに複数ある。
 8:41 大鹿村役場

明治21年に発足した大鹿村100周年を記念する石碑が村役場の前に建っていた。 建立は平成元年。 平成の合併で松川町との合併協議は成立せず大鹿村の名前が残された。合併前は茅野市から下ってくると、高遠町→長谷村→大鹿村→上村→南信濃村と峠を境にして村が変わっていったのだが、現在は伊那市→大鹿村→飯田市となっている。  大河原村と鹿塩村が合併して大鹿村の名となったそうです。


 8:54 旧上村に向かう

天気はまだ大丈夫だ。 
どんどん進め進め。
 9:45 地蔵峠へつづら折れの道

峠に近づくとつづら折れの道となり標高を稼ぐ。
交通量はほとんどなく、たまにツーリングのバイクがすれ違う程度でした。 野鳥や虫の鳴き声を聞きながら峠を目指してひたすらペダルを踏みます。 自転車での旅の良いところは音が聞こえる事だと感じました。 田んぼに水を引く用水路の水の音、風に揺れる木々の葉の揺れる音、沢を流れる水の音。  
 9:57 地蔵峠着  1314m

3つ目の峠、地蔵峠に到着。 国道152号線はこの地蔵峠と兵越峠の2つの区間は、中央構造線の脆い地盤のため、国道としては開通していない。 蛇洞沢林道が地蔵峠を経て未開通区間の国道をつないでいる。 短い区間ですが未舗装部分がまだ残っている。 地蔵峠を下り始めるとしらびそ高原に至るエコーラインの分岐が現れます。今は全線舗装済みですが、昔は未舗装でロングダートを楽しめました。  地蔵峠という名の付く峠は全国にいくつもある。 他の村から疫病が入ってこないように、村境や国境でもある峠にお地蔵さんを祀った為、同じ峠名が全国にある。


 10:49 そば処 村の茶屋

昼には少し早かったけど、朝からすでに5時間以上走っている。 休憩も兼ねて早めの昼飯にした。 地元のお母さん達が切り盛りしているお店のようだ。 かけそばをいただいた。お店の雰囲気も良く、おそばも美味しかった。若い人たちが居着かないので、人口が減って困っていると・・・「移住しない?」なんて誘われたりして。 ボトルに冷たい水も補給してもらいました。リンゴを煮たデザートもサービスしてくれました。 ここで昼飯を取って正解でした。


 11:43 旧南信濃村  和田  長野県側最後の街

何度も走り抜けた懐かしい町並みは昔と変わっていなかった。
ただ、道は新しいトンネルや橋などが所々出来ている。 普通に走っていると新しい道に知らぬ間に誘導されてしまい、小さな集落を見過ごしてしまう。時間があれば旧道を走りつないで、寄り道しながらゆっくりポタリングしたいのだが、今日は時間との闘いなので走りながら眼球をキョロキョロ動かして少しでも雰囲気を感じ取って走り去るだけでした。
 12:20  小嵐   長野県側最後の集落

兵越峠に向かってかなり登った所で集落が現れる。静岡側から来ると最初の長野県側集落だ。 遠山郷とのお別れです。ここからは人気のない厳しい山路が続く。


 12:57   峠道より青崩峠方面を望む

国道152号はこの下を流れる小嵐川沿いを走る。しかし県境の青崩峠は国道未開通となっており、この兵越林道が国道を繋いでいる。 青崩峠の名の通り、崩れた山肌が見える。
ちなみに杖突峠からこの兵越峠までの約115kmの間、コンビニはありません。
 兵越林道より遠山方面を望む

始めて走った頃はまだ舗装されておらず、荒れたダートが続いていた。峠に着くと「あぁ やっと峠まで来たかぁ」と一息付いたモノでした。今は舗装済みなのでバイクや車で走ってくると、そんな感慨も感じず走り去ってしまうかもしれない。 もっとも舗装されたお陰で23cの細いタイヤを履いたロードバイクでも、パンクの心配もすることなく走る事ができるのですが。歩きしかなかった昔の旅人は峠を無事越えたときの感慨もひとしおだったろう。
 13:15  兵越峠着  1165m

今回最後の峠、兵越峠にやっと到着! ホテルを出発して8時間掛かった。さすがに登りはきつかった。最後の砦、インナーローのダンシングでヒーコラヒーコラ登りました。 写真を撮るのを言い訳にして止まったりして(笑)ここから静岡県です。昔は水窪町でしたが今や浜松市。 水窪から龍山に至るあたりで、少しだけ霧雨となりましたが、掛川駅まで雨に降られずに走りきることができました。 掛川駅到着は17:18  約12時間のサイクリングでした。 この後会社の呑み会がありましたが、2次会には行けず早々に撤収しました。  総走行距離225km  獲得高度3066m   2日間ほど筋肉痛となりました。


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