『軍曹の貧乏旅行』
 夏真っ盛り いざ鹿児島へ!

                                          1993.8.6〜15
消防団の県大会が昨日終わった。4ヶ月の間、ポンプ車操法の早朝訓練及
びナイター訓練をしてきた。任務から解放され、暑さ真っ盛りのこの時期に
鹿児島へトリップした。


 鹿児島県霧島山中にある、新湯温泉が今回の目的地だ。
神戸から日向までフェリーを使った。今回は移動しながらの野宿はやめて、
一ヶ所滞在型の湯治棟への連泊とし7泊した。



 
     あいちゃんとなぎさ兄弟


 新湯温泉湯治棟の僕の部屋は一番端っこだった。
到着して部屋に荷物を運んで整理していると、京都から来ていた
あいちゃん、なぎさの兄弟が早速遊びに来た。
裏山にお散歩に行ったり、夜は花火をやったり、昔話(柳田国男の)
 を読んでやったり一緒に遊んでもらいました。



  
   新湯温泉 新燃荘 湯治棟全景


  硫黄が辺りからシューシュー噴出していて、買ったばかりの新車ヤマハ
  TT−250Rはいきなり錆び始めたのだ(T_T)
  露天風呂、内風呂共に豪放な作りで気分良く入浴できる。
湯は白濁した硫黄泉で、標高920mにあり鹿児島県といっても、朝晩は肌寒い程。
  この時台風7号が鹿児島を直撃し、死者40人を出す大災害にった。
  国道も至る所土砂崩れで通行止め、
川の土手が決壊している現場も目の当たりにした。

国道の渋滞を避けるために走った九州自動車道では、
  サービスエリアの建物が土砂で全壊していたのだ。
殆ど毎日暴風雨で晴れた日は2日間だけだった。
雨の日は持参した本を読んだり、ラジオを聴いたり
(掛川西高校が甲子園でこの地元小林高校と対戦した)
腕立て伏せをしたり、ひたすら温泉に入って過ごした。




  
  桜島


  数少ない晴れた日は朝からツーリング。
大隅半島から桜島や鹿児島市内へのツーリングでした。
鹿児島市内では西郷隆盛が最期を迎えた城山など、
西南戦争戦跡地を見学した。
しかし暑い!
さすがに晴れると夏の鹿児島の本領発揮と言った感じでとにかく暑い!
  渋滞にはまったりしたら、もう大変。叫び出しそうになりますハイ。




   
   新燃岳



 8/12 5:30起床。朝風呂へ入って洗濯をしてフランスパン食べかけ、
 チーズ、バナナ、凍らした紅茶をデイパックに放り込んで宿から歩いて出発。
おばあちゃんが見送ってくれた。 
昨夜宿のオヤジに新燃岳までのルートは訊いておいた。
途中橋の無い川渡りが2回あり、
新燃岳山頂が見えたら登山道は無視して、
山頂目指して一直線にガレ場を登れば良いらしい。

オヤジの話では「小川程度」であったが
 連日の暴風雨で川はかなり増水していた。
一本目の川は激しい水圧と、凍るような水温に耐え何とかクリア。
2本目も決死の飛び石ジャンプを繰り返してクリア。
ここからがハードな行程となった。
          
 心臓破りの急登が続く原生林を抜けると、
噴煙を上げる
新燃岳山頂が見えた。
そこからは登山道を外れて、木が1本も生えていない急な山
 肌を、両手両足を駆使して「うおりゃー!」と駆け上がる。
真夏の太陽を全身に浴びて、2分間全力疾走登山、
30秒間呼吸調整休憩の繰り返し、と無茶苦茶な登り方だ。
片で息をしながらやっと登頂すると、
360度の絶景に思わず万歳ジャンプ!
大きな火口は底まで100m程あるだろうか、
覗き込むのが怖いくらいだ。
          
 火口山頂を西回りに回って
獅子戸岳に向かう。
UPDOWNも少なく、チョット息を切らして山頂へ。
休む間もなく次なる
韓国岳に向かう。
緩い登りと下りは駆け足だ。
急登はいつもの全力疾走登山。最後は超ハード。
 全身から滝のような汗をかいて、
韓国岳も登頂成功。
新燃岳より古い火山のようだ。
ここでフランスパンとチーズ、紅茶のランチを取った。
 時間にして5分。

 休む間もなく
賽の河原に向けて歩き始める。
もの凄い急な下りである。
 一歩一歩のステップが膝に衝撃となってくる。
至る所ガスが噴出していて、まさに地獄のようだ。
ここは霧島スカイラインの駐車場から近く、
ミーハー観光客が多いので適当に引き下がった。
          
 ここからは
大浪池へ向かった。池と言うくらいだから平坦な道であろう。
 クールダウンにはちょうど良いな・・・・・・と思ったのだが、これがどうして。
 厳しい登りがひたすら続き、またも全身から溢れるような大汗。
大浪池もカルデラ湖だったのだ!
案内標識によれば日本一大きな山頂湖らしい。
 活動を停めて長い時間が経っているのだろう、
火口壁には緑が生い茂っている。
         

 

 宿に帰ってきたのが15:30。
ちょうど8時間歩き続けた事になる。
 「おばあちゃん!帰ったよ〜!」と叫んで、
すぐ風呂に入る。
 日に焼けた体がヒリヒリ痛かった。  




 
強力な鹿児島弁を喋るおばあちゃんの見送りを受けて、7泊した新湯
温泉 新燃荘を雨の中後にした。
話好きのおばあちゃんで、ニコニコしながらいっぱいお話をしてくれた。
でも残念かな鹿児島弁は強力で、話の40%は理解できなかった。
やさしいおばあちゃんだった。
湯治棟7泊の料金は\14,850だ。
魚釣りも楽しみにしていたが、天気が悪くて、竿を振ることは出来なかった(T_T)
           

           

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