『軍曹の貧乏旅行』



冬の開田村

                                           

1993.1.23〜1.25



 久し振りの真冬装備で5:30勇躍出発。
R257で恵那までノンストップで走る。
恵那市に入ってすぐの喫茶店でモーニングセットをとる。
以前WINDのツーリングで寄った店だ。
朝9:00だというのに近所のおじいさん、おばあさんで満席状態でした。

 気持ちの良いR19で木曽福島まで快適なクルージング。
R19までおおよそ4時間。
二本木、地蔵峠を目指すが冬季通行止めのゲートがあり、パス出来そうにない。
仕方なく黒川沿いの渡島まで戻り折橋トンネルルートで開田村に入った。 
以前は地蔵峠だけが開田村と木曽福島を結ぶ唯一のルートだったのだが、
バイパスとして折橋トンネルが出来たのだ。
こうして峠はどんどん高度を下げ、直線化されていく。 

トンネルを抜けると開田村小野原だ。
山が開け農家が10軒ほど点在する、のんびりした雰囲気が懐かしい。
ここへ来たのは3回目になる。
小野原より月夜沢峠を越えれば野麦峠に抜けられるのだが、
今回は開田村に連泊する予定なので峠には向かわず。


キャンプ場前の道路 


朝方ずっと曇っていたが昼頃より晴天となった。
雲ひとつない御嶽山がドドーンと眼前に広がった。 
R361より開田高原恩田原方面に細い道を曲がる。
村役場にパンフレットをもらいに行ったのだが、
気を付けていないと見落としてしまう程小さく目立たない役場だった。
しかし村内は実に美しく整備されており、非常に好感が持てる。
パンフレットに各地名も細かく記載されており、
村内の辻には焼杉板の看板が辺りの景観を損ねることなく配されていた。



開田村内の探検に出掛けました


 この村は日本固有の馬、木曽馬の産地である。
戦前はたくさんいたらしいが、戦中の軍の指示により殺されたらしい。 
村営御岳明神温泉やまゆり荘で昼飯を頂いた後、
恩田原の開田高原キャンプ場に14:00頃幕営した。 
当然であるがこの季節管理人もキャンパーも誰も居ない。
雪に覆われたキャンプ場を独占だ。

テント設営後村内の探検と、食料の調達に出掛けた。
酒屋兼食料品店兼雑貨屋兼の萬屋(どんな田舎にも必ずこういう店があるのだ)
でニラ、長ネギ、豚ロース、紅茶パック、ビール1リットルを仕入れた。
しめて2200円也。う〜ん。どこかで定食を食べる方が安いんではないか
・・・・永遠の謎である。

夕飯の支度を始めた頃には真っ暗になっていた。
木曽の大自然と今日一日安全に旅が出来たことに感謝してビールのプルタブを開けた。
豚ロースを手でちぎって鍋にぶち込み、ニラは2束適当に切ってすべてぶち込む。
長ネギも2本すべてぶち込む。醤油を適当に入れて塩こしょうをすれば、
ほらっ、もう良い臭いがしてきた。旨い旨い。 

19:30頃アイスバーンの道路を下ってやまゆり荘に行く。
村営なのだが働いている人達の応対がすこぶるよろしい。ホテル並みである。
中も清潔だし広くて、露天風呂もあって気分はサイコー! 
体が暖まったところで汚れた靴下と冷たいブーツを履いて、
夜のアイスバーン道路をバイクでキャンプ場に帰り21:30にシュラフに入った。


開田高原キャンプ場   この時期誰もいません
 
              

二日目は7:20起床。野宿にしては遅くまで寝てしまった。
朝飯は昨夜の残り鍋に残り飯をぶち込んで雑炊とする。旨い! 
夜中に雪がかなり降ったようだ。
今日は隣村の王滝村に探検に行く予定である。
御岳ロープウエイ方面に駒を進めるとスキーヤーの車と一緒になって走る事になる。
その途中にある一軒宿の鹿の瀬温泉旅館で湯を借りた。450円也。
名古屋から来たおじさんと温泉の話に花が咲き、1時間ほど湯に浸かっていた。

 王滝村の最奥に滝越という集落がある。
鎌倉幕府の頃から活躍していた三浦氏の末裔であろうか、
ここの人達は全員三浦姓を名乗る。
ひたすら長く細い雪道を走った山奥に存在する。
更に奥に進むと鞍掛峠に至る。峠入り口には「岐阜には抜けられません」と
看板があるが、なんとか抜ける事は出来る。乗用車では無理だが・・・。 

17:00にキャンプに帰って飯にした。
本日は手抜きメニューで袋に入ったモツ煮だけだ。
先に飯を2合炊きビールを呑む。腹一杯だぁ〜!幸せであります。
ほんのり酩酊した頃やまゆり荘にお湯をいただきに行った。
風呂上がりに日記を書いて21:30シュラフの中で目を閉じた。




王滝村 滝越集落   全員三浦姓を名乗る
神奈川県三浦半島の豪族三浦氏とゆかりがある
             

            

三日目は6:50起床。
朝食はボンカレーを暖めて冷たい飯にぶっかけて食べる。
それでも食べきれなかった飯は永谷園のあさげを掛けて食べた。旨い。
小雪がちらついている。今日は2泊した開田高原キャンプ場を出発する日だ。  

10:00キャンプ場を後にした。やまゆり荘で土産を買いトイレもお借りした。
ガス補給して少し早かったが11:00に昼飯で蕎麦を食べた。
戸隠と並ぶ有名な蕎麦処だ。850円のざる蕎麦を頼むとザルが2段になっていて味、
ボリューム共に納得のいくものであった。旨い。
一路木曽福島に向かいR361旧道沿いの二本木の湯に浸かった。
300円也。地元のおじさんがお茶を入れてくれました。
さぁノンスップで走れば18:00には帰れるだろう。






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