4月29日(日) ついにインドから国境を越えパキスタンに入った。
走れる距離だったのでそのままラホールまで行き宿をとる。
さっそくG.P.Oに行くと、あったあった軍曹よ。日本食までありがとうござった。
旅先で受け取る手紙も良いものだが、まさか酒やちくわなども・・・。
昼食にはさっそくウメボシ入りのチキンラーメンを頂いたのだ。
周りの白人達は「JAPANESE FOOD?」と眺めておったわい。

前回はバラナシーからだったと思う。あれからもインドは更に暑くなり、
もう午前中の走行を中心としなくては、午後はバテてしまってダメであった。
それでもこっちの道は適当に木陰もあり、用水路に水をくみ上げるポンプなどもあるので、
見つけたら即、服のまま飛び込んで体を冷やすのだ。
そして用意しておいた、今が旬のマンゴーを水で冷やして木陰で食うとシアワセ。
それにしても暑い。40℃はすでにある。 

デリーには4月12日に着き、ここでは日本人の多い安宿へ行き、
つい居心地良くて10日も居てしまう。ここで幸運にも去年トルコ側からチャリンコで
イラン、パキスタンを走って来たカップル(日本人)と出逢う。
貴重な情報を仕入れる事ができたのだ。
しかし怖い話しも多い。パキスタンの西、イランとの国境まで600kmの間はもう砂漠地帯で
民家も少ないらしく、さらにゲリラくずれの武装強盗団が出没するという!
たいがいのサイクリストはこの間、バスや汽車で移動しているらしいが、
イランに入ってもしばらくは同じ状態で、現地の人もチャリで走る事を強く止めたという。
本当は全部チャリで走り抜けたいのだが、聞かされるとどうも穏やかではない。
それにこれからは一番暑い時期で、50℃を越えるというではないか。
まだ死にたくないので安全策をとると思うが。

デリーはさすが大都会で、ここにはたいがいの物がある。
ここには頭にターバンを巻いたスィーク教徒が多く、彼らは最先端で活躍している。
もう日本の学生君はほとんどいない。いるのはもうインドインドした奴、
カップルでアクササリーを仕入れに着た人達、マリファナでちょっと変になった男、
タイ人男のフィアンセと旅してる女の子、ごくフツーの旅人。
皆いろんなスタイルの旅をしている。ほんまに外地で会う奴は個性豊かなのだった。

ここは一泊150円の昔から日本人の溜まり場みたくなっている所で、
西と東の情報交換に便利な宿なのだ。
10日もいたデリーを後に450q西のパキスタンボーダーを目指して走った。

パンジャブー州に入るとこの辺の町は夜7:00には店が閉じてしまい、ライフル持った
ポリスが多くうろついている。何でもテロリストが出るとのこと。
今はスィーク教問題もある。国境に近づいてゆくとさすが、軍が目立ちはじめる。

そしてボーダーへ。
インド側役人のスローモーションさに腹が立つ以外は、割にすんなりと通過。
金もインドルピーからパキスタンルピーにチェンジ。
せっかく覚えかけたヒンディー語も、もう通じなくここではミミズの這ったようなウルドゥー語だ。
しかし数の数え方は同じだった。明らかに人の顔立ちが変わった。
こっちの人もやはりフレンドリーで、道を尋ねても連れてってくれたりする。
子供も金を要求する「バクシーシ」は言わない。

ラホールの町は今までのインド田舎町から来ると、先進国に来たような感じがする。
日本車はトヨタ、スズキが多く、ナショナル、日立、ソニーの看板も多い。
最近までチャパティーとカリーばっかだったのが、少しはメニューも増えるようだ。
これもラホールという大きな町だからで、地方に行けば同じ事かも知れないが。
この後はイスラマバード、そして中国ボーダーへ通じる、インダス河沿いの
カラコルムハイウエイを登り、北部のすがすがしい所で山を見ながら、
のんびりしたいと思っている。この辺りは今、花の季節でとても良いらしいから。
そう、ここも前から楽しみだった所の一つだ。

この感じだとパキスタンにも2ヶ月位は居てしまうかもしれんな。
まだ先の事ははっきりわからんので、これからもちょこちょこ連絡する。
軍曹もまじめに働いておるようだな。そうゆう人達には何か悪いような気もする。
俺みたく長く遊んでいる者としては・・・・。

G.W連休はどうだった。
また体いじめて来たか?もう桜は終わったのかな。
これからはずっと過ごしやすい、良い季節だね。
バイクも気持ち良く走れるし。やはり日本は良いな。日本人にとっては。
水道の水も気にせずそのまま飲めると言うことはスバラシイ事だ!
俺は最近ひどい下痢で悩んでます。10日以上治らない。何が悪かったのか考えてみても、
食った物飲んだ物みんな怪しいので、何だかわからん。
こ〜ゆ〜食欲の無い時に現地食はさらに食う気を無くす。
こんな時こそ日本食はありがたいものだ。
今夜もこれから冷蔵庫で冷やした鬼ごろしとちくわで一杯やろうと思っている。
(今の宿には何とキッチンがある)

とにかくグンソウよありがとう。俺ももっと体調に気を配って元気にならなければ。
そちらもつらいでしょうが仕事にがんばってください。
では今回これにて。 また連絡します。


4月30日   ラホール サルべーション・アーミーの宿にて

戸川謙一



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