2006 自衛隊観艦式

まるで遊園地のアトラクションみたい とあるルートより「海上自衛隊観艦式の乗艦券があります。水曜日ですが・・・」との連絡。うぅむ 行かねばなるまい。三年に一度の式典である。しかもこんなチケットが手に入るチャンスはそうそうない。ALL HAMAOKANの隊長、ライマン・フラット少佐に連絡すると「うぅむ、それは行かねばなるまい」との回答。早朝0300に出発、乗艦受付0700。かくして我々は早朝8:00に横須賀軍港で護衛艦「あさかぜ」艦上の人となった。驚くほど多くの一般客が集まっていた。横須賀港、横浜港、木更津港に呉、佐世保、舞鶴、大湊から集まった40隻以上の艦艇が分散して相模湾で集結する。右の写真はターターミサイルと5インチ単装砲。5インチ砲は昔でいう12.7cm高角砲と言ったところでしょうか。
これもとても兵器とは思えない こちらはアスロック対潜ロケット。敵の潜水艦を攻撃します。余談ですが、乗艦前には当然金属探知器によるボディチェックがあります。持ち物検査も当然。演習海域までの間に一杯・・・と思って缶ビールを忍ばせて置いたのですが、没収されました。もちろん上陸後返してくれましたが。
すぐにでも実弾装填出来るそうです 高性能20mm機関砲。策敵・攻撃まで全自動で行うバルカン砲。敵の対艦ミサイルから身を守る最後の手段となる。多くの自衛艦に搭載されている。
魚雷戦は帝国海軍の得意分野でした 夜戦ならなおさら 姿格好は昔とあまり変わらない魚雷発射管。昔の巡洋艦や駆逐艦にはたくさん装備されていましたが、現在の「あさかぜ」には右舷、左舷に三連装発射管がそれぞれ一基づつです。昔は世界に誇った酸素魚雷、現在は誘導式の短魚雷。
命令、復唱、復唱確認 ブリッジ(艦橋)も公開しています。あの雰囲気は写真だけでは伝えられない・・・・・ 航海士「面〜舵 15度」 操舵長「おも〜か〜じ 15度 ヨーソロー」 「進路 マルフタマル」「進路 マルフタマル ヨーソロー」 「通信士、僚艦たちかぜに○○送れ」 カッコエエわぁ
定規を使って書き込んでいます その裏側では航海士と操舵長のやり取りを聴きながら、艦の行方をチャート(海図)に書き込んでおります。普段と違って一般市民に見守られてやりづらかっただろうと思います。ブリッジ右側の席には艦長、左側の席には司令が座っています。
うぅむ 横須賀を出港して3時間弱で相模湾の演習海域に到着です。潜水艦部隊が「やえしお」を先頭に一列縦陣でやってきました。通常型潜水艦では世界トップレベルの建造技術を持っている。海自の中でも秘密性が最も高い為、艦番などは一切表示なし。帝国海軍当時の伊号潜水艦に比べると一回り小さくはなっている。考えてみるに、潜水艦を見るのは初めてであります。
壮観である 我々の縦陣と対向して両側に観閲部隊が通り過ぎました。戦闘艦艇が一心乱れず進む姿に圧倒されます。世界中の海軍でも航行式の観艦式を行うのは大変珍しい事だそうです。よっぽど訓練をしないと出来ないらしい。さすが連合艦隊・・・いや自衛艦隊。
対向した部隊をやり過ごした後、大きく取り舵して今度は追いかける。後続する艦番172「しまかぜ」も「あさかぜ」に続いて、取り舵をきっている。「只今より本艦は左に大きく旋回します。艦が傾きますのでご注意ください」とアナウンス。
高初速を誇る 5インチ砲の一斉射撃・・・と言っても「あさかぜ」には2門ですが。後続の艦は27秒後に発射するとアナウンスがありました。どうして30秒後じゃなくて27秒なのか。その3秒の差はいったいなんだろうか。戦車砲、機関砲、艦載砲などはどうも舶来品が案配いいようで。エリコン、ラインメタル、ビッカース、オットー・メララなどなど。「この砲は東京駅から発射すると横浜駅まで射程に入ります」とのアナウンス。
Dam! Dam! 対潜ロケットが発射され、着水後少し間を置いて海中で爆発した瞬間です。艦底から「ズシン」と感じる。網を掛ければ気絶した魚がたくさん捕獲できそう(^o^) 富士総合火力演習を見学して以来の興奮を覚える。ライマン・フラット少佐もニンマリとした顔で、大変ご満悦の様子。
日本が世界に誇る飛行艇US-1が艦隊の中央で着水、離水を行いました。しかし、離水距離の短いこと!あっと言う間に機体が海面を離れました。二式大艇を彷彿させるカッコイイフォルム。もっとも二式大艇を設計製造した川西航空が戦後、新明和工業と改称して、このUS-1を開発したのだから兄弟分と言ったところでしょうか。似たフォルムを持っているってことは、二式大艇が大型飛行艇として、完成されたものだったと言えるのでしょうね。
対潜哨戒機P-3Cが対潜爆弾を低空から落としていきました。それが設定深度で爆発です。この頃になると次から次へと演習が繰り広げられて、観るのが忙しい(^o^) 艦内では次の演習内容等がアナウンスされるので助かります。
航空機部隊が編隊を組んで受閲を受けます。ヘリコプターを先頭にP-3C、US-1、F-15、最新のF-2などなどが飛来しました。頼もしい・・・ うぅん、再び国産戦闘機を!
高速で通り抜けるミサイル艇の向こうは、空母「大鳳」・・・に似ている輸送艦「おおすみ」  この艦には水陸両用のLCACが格納されている。そのLCACが爆音を轟かせて高速で疾走していった。「おおすみ」や「しもきた」を初めて写真で見たとき「カッコイイの作ったな! いいぞいいぞ!」と奮ってしまった。空母欲しいよなぁ
海軍高雄型重巡洋艦4番艦「鳥海」の名を冠した艦番176 「ちょうかい」 イージス艦独特のフォルムが「鳥海」の大きな艦橋と似ている。今回の観艦式では観閲部隊に属している。
当初の予定では「帰港時刻1705」でした。実際は正に定刻1705ほとんどぴったしに接岸した。さすが海軍です。今回初めて自衛艦に乗艦させてもらったわけですが、何が感動したかって、海上自衛官のカッコイイこと!特に士官クラスの自衛官がホント格好いい。制服も格好いいけど、背筋がピシッと伸びて姿勢が良い。そして笑顔がすばらしい。お年寄りや子供達にそっと手を差し出す一つ一つの動きがスマートだ。我々が桟橋から帰る際も、一列に並んで「ありがとうございました。お気を付けて」と爽やかな笑顔で見送りしてくれました。いやぁ かっこよかった。年甲斐もなくホントに感動した。

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