『軍曹のちょこっと コラム』

「固いご飯と軟らかいご飯」

2004.2.18

 僕は少し固めのご飯が好きだ。炊飯器で炊くときはメーカーが標準とする目盛りよりも4o程少なく入れるのだ。でもその4oを計る訳ではない。お米に手のひらを押しつけ、手首の浸かる感覚で判断する。多ければ手で少量づつ加減する。半年に及ぶ野宿生活で自分好みの水加減を会得し、今でも米を研ぐときはその感覚で水を張る。


 べっちゃりご飯に出会うと残念である。ご飯粒がそれぞれ寄り重なり合っていて、見ているこちらがグッタリしてしまう。それに比べると固めのご飯は一人一人がしっかりしている。ご飯とご飯の間に隙間があり、その隙間に暖かくて美味しい空気もいっぱい含んでいる。


 おこわや赤飯も大好物だ。蒸し上がったばかりの餅米はかなり高い位置にランキングされる好物である。餅を搗くまえにちょっとつまみ食いしたりする。麦飯も好きなご飯である。麦も一粒が固いので歯ごたえがあって香りもあって旨いのだ。我が家で麦飯がでると子供たちや僕は「旨い」「美味しい」と言ってお代わりをする。戦後の厳しい食糧事情を思い起こさせるのか将軍様は嫌がる。



 小正月に食べる小豆粥も好きだ。母は作ったことが無いが、ハイグーシャ少佐は毎年作ってくれるので1月15日が楽しみだ。固いご飯が好きだと言って、粥も好きだとは何ぞやと思われるが、べっちゃりご飯とお粥は全く別物だ。風邪をひくと母が作ってくれたお粥は苦手だったが、今思い起こしてみるとそれは、お粥と言うよりもべっちゃりご飯だったような気がする。お粥はお湯がたっぷり無いと美味しくない。ホテルの朝食でお粥があったりすると何杯かお代わりをする。朝食でお粥を食べると、何やら口からお腹に掛けてすこぶる軽快になる。


 雑炊も好きだ。お鍋を平らげ満腹になった状態で、さらに雑炊にして腹十二分目まで食べる。ラーメン雑炊もナカナカだ。部活で疲れて帰ってきて堪らず、冷たいみそ汁をご飯に掛けて流し込む時の幸福感は今でも鮮明に記憶している。

 おにぎりはオカカに限る。それも出来るだけしょっぱいオカカが美味しい。コンビニで売っている海苔を巻いてから食べるタイプの奴はチョット残念だ。おにぎりは海苔がご飯にベッタリと、そしてしんなりしているのが望ましい。パリパリ海苔では手に持ったときの感触からして味気ない。新聞紙のインクの臭いがしたら、それは一級品のおにぎりだ。

 週刊実は、フランスパンと黒パンも好きなのであります。


TOP      戻る