『軍曹のちょこっとコラム』

  
  引き出物と水筒

2003.9/16


 毎日仕事に水筒と弁当を持っていく。
職場の自動販売機のジュースやコーヒーは甘すぎて、毎日休憩の度に飲める代物では無くなった。食堂の定食も毎日胃袋に収めるには苦痛なほど怪しい食材が使われるようになった。昔に比べると弁当水筒持ちの社員がかなり増えたのも確かだ。

 水筒には温かいお茶や花粉症の時期には甜茶を入れていく。一度コーヒーを入れていったことがあるが、一日に何度もコーヒーを飲むのは苦痛だったの一日で止めた。

 愛用している水筒は友人の結婚披露宴での引き出物で頂いたものだ。往々にして引き出物とは、貰ってありがたく感じる物はないものだがこれはもう7年以上も使っている。最近は引き出物もカタログが入っていたりして、好きな物を選べるようになっていたりするが、そのカタログを見回しても自分が今必要としている物を探し出すのは大変なことだ。結局勿体ないなぁと思いながらも、欲しくもない物を手に入れたくないのでカタログも注文することなく期限切れを迎えるハメになっている。必要でない物は買わない、手に入ない事が基本だと思うのだが、引き出物の慣習はそれに全く相反している。欲しくもないのに持ち帰らざるを得ない。欲しくもない物=手にした瞬間ゴミ   ・・・・・だと思う。
しかしお歳暮、お中元、引き出物など日本人が慣習としてきたそれらは、経済効果も大きいのかも知れない。
                

さてこの水筒だが最初はストラップも付いていたのだが、金具が錆び朽ちて切れてしまった。ストラップが切れかかっていた頃に、バイクでの通勤途中よく道路に落とした。「ガラガラガラ〜ン」と音を立てて道路を転がっていく水筒をバックミラーで追いかけてUターンしたものだ。

ある日帰宅すると何時落としたのか気づかないほど、静かに私の身体から去っていった事に気が付いた。翌日からグランテトラのアルミ水筒を持っていった。

すっかり諦めていた3日後、会社のおばさんが「軍曹さんの水筒って黄色じゃなかった?最近家の前の道路脇に似た水筒が立ってるよ」と聞き捨てならぬ情報を提供してくれた。終業後早速現場にバイクで急行すると居た居た。ボディをさらにボコボコにした我が水筒が。まるで忠犬ハチ公の如く主人の帰りを待っているかのようだった。


こうして今日も温かいお茶を大事に運んでくれる愛着ある我が水筒君です。今まで貰った引き出物の中で最も活躍している物だと思います。






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