『軍曹の貧乏旅行』


       静岡再考


 仕事の都合で平日に休みとなった。
子供達も保育園だしハイグーシャ少佐も当然お仕事である。 
行ってしまえ!久し振りの野宿ツーリングだぁ! 
峠の向こうは愛知県という場所から、峰の向こうは山梨県という
静岡県の端から端に移動する計画を立てました。
天気予報は雨も降る事を告げていたが構わず出発しました。

                                                 2003.5.12〜13


  
 阿多古川と西阿多古川が出会う落合の三叉路


 直進すると西阿多古川沿いを走る県道9号。
阿多古川は美しい清流だ。この落合までに何カ所か川遊びに良いポイントがある。
駐車料金は一日700円が相場のようだ。
駐車場には更衣室、トイレもある。
立谷大駐車場のおばさんと話をしていると突然、
「鮎だ!鮎だ!」とおばさんが興奮して川面を指さした。
目の前を鮎の群が泳いでいった。
以前阿多古川で潜った時は大井川水系に比べて魚影の濃さに驚かされた。


 
 熊の街並み


 かつて秋葉街道の宿場町として栄えた面影が残っている。
到着した時間が早すぎて「熊水車の里」は営業していませんでした。
年の頃35歳位のお母さんがこの道でスケボーの練習をしていた。
ここから少し下った場所に阿多古川に掛かる橋がある。
川のチェックに橋の上から川を覗き込んでびっくり! 
80pから一尺程の魚が群れて泳いでいる!
鯉か?と思ったがなんとレインボー(ニジマス)だぁ! 
地元の人は気づかないのか!そんな訳ないよな。 
聞いた話ではこの辺りは禁漁区になっており、
マス達はここがよほど居心地良いらしく
大水が出ても必ずここに帰って来るそうだ。 
そうだよなぁ〜。

    
熊地内の分岐 古い道標がある      熊平集落の熊平家

 上の分岐を左に選んだ。暫く走ると緩い斜面に明るく広がる熊平の集落が現れる。
見る者を圧倒する大屋敷がまず目に付く。
近くのおばあちゃんに話を伺うと、このお宅は熊平さんというらしい。
地名と一緒なので17軒ある他のお宅も皆熊平さんかと思いきや、
こちらのお宅だけ熊平さんで他は別の姓だと言う。
林業を営む昔からの大庄屋さんだそうです。
とにかく立派なお宅です。

   
   焼津市 花沢               明治時代の宇津ノ谷トンネル


 花沢はおばあちゃんの話によると古い東海道で昔は武士(僧兵?)の街だったそうな。
なんともメルヘンチックな名前です。花沢から細い道を登っていくと宇津ノ谷に抜けられる。
日本で初めての有料トンネルだそうで料金表があった。 カゴ 一銭五厘だと。
明治9年でもカゴがあったんですね。
一人でこのトンネルを歩くにはかなりの勇気がいます。

   
  俵峰にむかうつづら折れの道              俵峰集落


 地図を見ていると梅ヶ島に向かう県道29号線の賤機北小学校入り口から
一本の道が山の中に伸びている。
その道は等高線が大きく開いている場所でロータリーのようになっている。
もう堪らない。行くしかない。 
強力なタイトコーナーが連続しグングン高度を稼ぐつづら折れの道。
ライダー冥利に尽きます。
この茶畑を見下ろすと美しい風景というのは人が
手間暇掛けて築きあげた結晶であることを痛感する。
俵峰集落は高原のような場所に存在する。皆さんお茶刈りが忙しそうでした。
キャンプ場の看板を発見し探してみると荒れ放題の状態でチョット泊まる気にはなれませんでした。 
  
            

  
 斜面に広がる有東木集落               滝のような沢沿いにわさび田が広がる

 山の斜面に広がる有東木集落も県道29号線から一本道を進んでいくと現れる。
山の向こうは山梨県だ。有東木はわさび栽培発祥の地であるそうだ。
集落の中を2本の沢が流れ、そこから取水ホースが伸びてわさび田が段々にビッシリと作られている。
茶畑も急斜面に隙間無く作られている。茶畑の隅には家庭菜園の野菜も植えられていた。
青笹山に向かう林道途中に広場がありそこで露営を考えたが、
夜中に雨が降ると困るので有東木公民館下のバス停に寝袋を広げた。
フランスパンにヌキナを挟んで夕飯とした。
おおかた眠りについた20:00頃突然「こんばんは」と声を掛けられ飛び起きた。
「寒いから家の小屋で寝な」とトラックで案内してくれたのは西島さんだ。
寝袋をトラックの荷台に乗せて農作業小屋まで連れて行ってくれた。
清潔な五つ星ホテルだ。
見知らぬよそ者に親切をして頂き、身も心も暖かくなって再び寝袋で目を閉じた。
有東木についてはこちらに素晴らしいHPがあります。
 西島さんの農作業小屋で寝ていた夜中の話・・・・・・
誰かが歩いてくる足音が近づいてきた「こんな夜中に誰だろ?西島さんかな?」
息を潜めていると「ダンダン! ダンダン!」と戸を叩く音が。
そして誰も入ってこなかった。あれは何だったんだろ?


  
 市営赤石温泉白樺荘                      長島ダム

 翌日は東河内のある沢に入った。ブドウ虫で探ってみたが当たり無し。
アマゴを土産に・・・・・という計画も崩れ落ち、久し振りの赤石温泉に向かう。
なんと今日は火曜日で定休日だったぁ〜  
とほほほほ  ぼちぼち帰るか。
考えてみれば完成した長島ダムを初めて見た。
建設計画は昭和47年に始まり完成したのは平成14年である。
一体このダムの存在価値はあるのだろうか?
我々小笠町の農業用水と水道水はこの大井川から頂いているが・・・・。 
赤石温泉に入れなかったので接阻峡温泉(\300)に入り汗を流し、
お気に入りの中川根町 四季の里で土産を購入し帰路についた。
その日の夕飯は家族で食べる夕飯はありがたいなと、改めて感じさせてくれました。

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